の不全
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人間の本能には、食欲や睡眠欲などがありますが、種の保存という目的のために備わっている本能に近い性質のものとしてのがあります。のの現れ方の程度については個人差が大きく、ほとんどのを感じない人から、極度に強くのを示す人までおります。
通常、ペアとなる男女間ではSEXという言い方でのが行われるのが普通で、その目的は究極的には子孫を残すためとされますが、もっと現実的には二人の愛情の確認・コミュニケーションを深めるものであり、相互に快感を得るためのものでもあります。
男女間ののは望んだとき普通に実現できるべきものなのですが、何らかの肉体的、精神的事情により、それがうまく実現できない状況が起こることがあります。望んでいるのに出来ない、ここに問題があります。このような状況を〔の不全〕と呼んでいます。
〔の不全〕は「男女の性的欲求低下や性の嫌悪」「喜びの欠如」「男性の障害()」「女性の冷感症」「男性の早漏」「男女のオルガスム障害」「の時の疼痛障害」などの症状として現れます。
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性嗜好異常
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〔性嗜好異常〕は〔パラフィリア〕とも呼ばれる概念で、もっと現実的な意味で書くなら、やや印象が強すぎる言葉になるけれども〔性倒錯〕という言葉になります。この言葉の本来的な意味合いは「生殖に結びつかない性衝動や性行動は性倒錯」という考え方です。
筆者の個人的感想から言えば、快楽のためにをしたがらない男なんていないのだから、これでは、世の中の人は全員が性嗜好異常者となってしまうので、ちょっと極端すぎます。ということで、より現実的な性嗜好異常の解釈は、「社会通念上で正常とされる性的関係や嗜好から極端に逸脱した、社会的に容認されがたい性嗜好」ということになるでしょう。
〔性嗜好異常〕には、次に示すようないくつかの典型的パターンがあります。これらは小児期後期から思春期に近づく頃に現れて、いったん確立されると一生涯続くのが普通です。
・靴や下着、革製品、ゴム製品などの物品を用いて、激しい性的興奮を伴う空想や行動を繰り返す。
・自分またはパートナーに苦痛や痛みを与える。
・子供や無力な人とのの、強姦など、合意のないのをする。
このような性嗜好異常には〔フェティシズム〕〔服装倒錯的フェティシズム〕〔小児性愛〕〔露出症〕〔窃視症〕〔マゾヒズム〕〔サディズム〕など、さまざまなものがあります。
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性同一性障害
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生物学的には、人は男か女かの性を持って生まれてきて、肉体的にそのような外見を有することにより、男性か女性かと区別され成長し、自分が肉体的、社会的にはどちらの性に属しているかをはっきり認識しています。
しかし、その一方で、精神的にはその性に激しい違和感・嫌悪感・不快感を感じたり、その性は自分の心にそぐわないと感じ、反対の性になりたいと願う人たちがいます。
〔性同一性障害〕は、自分自身の身体的・社会的な性別に対して、精神上は反対の性別に属していると感じ、肉体的な性別や性役割を精神上の性に一致させようとするために、激しい苦痛や葛藤を生じる障害です。
〔性同一性障害〕の人は、〔統合失調症(精神分裂病)〕などを持つ精神障害者とは異なり、自分自身の性別に対する違和感や不快感、嫌悪感を抱いている点を除けば、健常者と何も変わるところはありません。
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