低換気になると、肺胞中の炭酸ガス濃度が上昇してきますが、初期の異常段階では自覚症状はほとんど現われてきません。炭酸ガス濃度が高いだけでは自覚症状はおきにくいのです。
炭酸ガス濃度が上昇し、酸素濃度も低下してくると、頭痛や動悸、不眠などの睡眠異常が見られるようになり、更に疲労感、不整脈、高血圧、チアノーゼなどの症状が現われてきます。
続いて、呼吸困難、睡眠中の息苦しさ、昼間における眠気の症状が現われ、さらに進行すると、細胞組織内の細胞間質液と血液の圧力バランスが異常になり血管内圧が増大して浮腫(むくみ)が発生します。
〔睡眠関連低換気/低酸素血症候群〕を引き起こす原因には、〔特発性の睡眠関連非閉塞性肺胞低換気〕および〔先天的中枢性肺胞低換気症候群〕という二つの種類があります。
特発性の睡眠関連非閉塞性肺胞低換気
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扁桃腺肥大などで喉が狭窄するような特別な原因もないのに、肺胞での酸素・炭酸ガス交換が十分に出来ない状態。
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先天的中枢性肺胞低換気症候群
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〔先天性中枢性肺胞低換気症候群〕は、脳幹部の自律神経中枢の先天的な形成異常や機能不全により睡眠時に呼吸不全などを起こす症候群です。
睡眠中に肺胞内での酸素・炭酸ガス交換が悪化し、浅眠と中途覚醒が起こり不眠症状を呈します。
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